甘いキス

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その祐の私に向ける真剣な眼差しに不覚にも私の胸が高鳴った。 祐「…どうする?これ以上のこと……する?それとも…」 (これ以上のことって……キス以上のこと…だよね……そんなの…嫌だ…) 私は覚悟を決めた。 愛「…わかった……でも、約束して?キス以上は絶対にしないで…」 祐「…フッ…分かったよ…」 これから起こることが怖くて私は思わず目を閉じた。 (…力……ごめんなさい……だけど、今はこうするしかないから…) 祐「…いい子だね……」 祐は耳元でそう囁くと耳にそっとキスを落とした。 愛「…ぁ…んん…」 そっと目を開けると目と鼻の先に祐がいて、私をジッと見つめている。 祐「愛梨…目、閉じて…?」 引き込まれそうなほどのその妖艶な目つき―― (このままじゃ……飲み込まれちゃう……) 怖くなった私はまたギュッと目を閉じた。 ……ガサッ…ビリッ…… 聞き覚えのある音が聴こえてくる。 そして、祐の指が私の顎を下に引くと、口が開いた隙にそれを流し入れた。 愛「…っ……やぁーっ…にがっ……」 突如、口の中に広がる違和感。 さっき祐にもらったチョコレートの中に入っていたお酒の味が一気に口の中に広がった。 しかも、今度はアルコールだけ。 愛「…ゃ……苦いよ……祐……お願い……助けて…」 あまりのその苦さに私は耐えられない。 私は彼に縋った。 そんな私を祐は真顔で見ながら何故か口を動かしていた。 愛「…祐……な…何してるの?」 祐「…ん…チョコ食べてる……」 愛「…祐……口…にがい…なんとかして…?」 そのセリフがアダとなった。 祐「…いいよ。ほら……口開けて…?」 愛「…え…っ……」 その瞬間、祐の唇が私の唇に重なった。 愛「…んん……」 何度も角度を変えて落とされるキス。 私はその侵入を必死で拒んでいた。 祐「…ほら……応えてくれるんだよね?」 そう言って祐は閉じていた私の唇に指を強引に割り入れた。 祐「悪いようにはしないよ…」
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