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愛梨を探すために俺はさっき通ってきた道を歩いていた。
それにしても愛梨はどこへ行ったのだろうか。
二人が一緒で無ければいいのだが。
昨日の今日だし、いくらあの天然でも大泉が危険ということくらい分かっているだろう。
教官室から校舎の方へと抜けていく人気のないその道―――
学校のある日は、生徒の行き来が多い場所だが、今日は休みということでその道は静かだ。
これだけ探していないということは、また校舎の中にいたりするのだろうか。
ふと俺がその校舎を見たその時だった。
……ガタッ……
(ん?何の音だ?)
俺はその音のした方向を見た。
そこには体育倉庫があった。
倉庫の中からの音だろうか。
(バーでも転がったか?愛梨のヤツ、また適当に片づけたんじゃねーだろうなぁ…)
そんなことを思いながら、その倉庫を尻目に通り過ぎようとした時、
ガタタタ……
またその倉庫から音が聴こえた。
(なんだ?!っつーか、何、勝手に道具が音鳴らしてんだよ!)
翔「ったく…驚かせやがって……ん…え……待てよ!?」
嫌な予感がした。
(…まさか……?)
俺は通り過ぎた倉庫を振り返りると、そのまま倉庫へと向かった。
幸いにもまだ鍵は掛かっていない。
俺はそのドアをゆっくりと開けた――…
……ガラガラ……
倉庫は薄暗闇で見えにくい状態だが、その光景はすぐに目に入ってきた。
(…えっ……)
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