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恵「ってことだから、見てあげてよ?」
新学期が始まって最初の土曜日、俺は部活に出てきていた。
翔「そんな話、聞いてねーよっ」
恵「しょうがないでしょ?私が跳躍教えることなんてできないんだからっ」
翔「坂田に頼もーぜ!?」
恵「坂田先生なら今日は休みだけど?」
翔「げっ…何でこんな時に……」
本当ならこの役は俺ではなく愛梨のはずだったのに、あのヤロー、藤沢の試合を見に行くっつーことで今日は部活を休んでいる。
しかも坂田のヤツまでいないとはあまりにツイてない。
翔「俺、苦手なんだよな。あーいうタイプ…」
部室の方にいるのは愛梨の中学時代の後輩の沙希とか言うヤツ。
恵「いい子じゃない。先輩思いの…クスッ…」
翔「それが気にいらねーんだって!」
あの沙希ってヤツ、俺が愛梨といると毎度ながら引き離しにかかる。
恵「翔が愛ちゃんに手を出そうったってそうは問屋が卸さないってことよ。」
翔「別に手ェ出そうなんて思ってねーよ。」
恵「そうなの?」
翔「なんだよ!?」
恵がジッと俺を見て何か言いたそうだ。
恵「…ねぇ、翔……あの日…愛ちゃんに何かした?」
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