諦めきれない想い

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そんな愛梨と教官室で会った時、少しでも同じ時間を共有したくて、偶然持っていた愛梨の好きだったチョコレートを渡した。 だが、まさかあんな微量のラム酒で愛梨が倒れるとは思わなかった。 俺の中でぐったりと倒れてしまった愛梨を抱きかかえ、教官室を出ると、俺は比較的近いその倉庫へと向かった。 (あそこならゆっくりと寝かせてやれる跳躍用のマットがある…) その時は愛梨を抱くつもりなんて全くなかった。 マットに横たわる愛梨を俺は傍で見ていた。 暫くすると薄暗闇のその倉庫に目が慣れてきた。 目に止まったのは、少し開かれたジャージから覗く彼女の首筋。 昨日、俺がキスマークをつけた以外にも更にそれが増えていることに、俺は力が昨日も愛梨を抱いたことを悟った。 眠っている愛梨を見ながら思った。 (愛梨は…どんな顔をして力に抱かれているんだろう……) サラサラとしたそのやわらかい髪―― 何度も何度もそれを整えるように俺は彼女の頭を撫でた。 その時、愛梨が目を覚ました――… 目を覚ました当初、愛梨は俺に対して全く警戒心がなかった。 だが、昨日の今日―― 途中からさすがにマズいと思ったのだろう。 面白いくらい俺の悪戯な行動に焦り、過剰に反応しはじめた。 そんな愛梨に更にちょっと悪戯してやろうとウィスキー入りのチョコレートを渡してみた。 ところが、これまた警戒心なくすぐに口に放ってしまい、子供の泣き顔みたいな顔で助けを求める。 その顔が俺をあの頃へと引き戻していく―― (愛おしすぎてたまらない…) 悪戯にお茶を口移しで飲ませ、そのまま肌に流れる水滴を唇で追うと、考えられないほど彼女は悶える。 そんな愛梨にどこまで冗談が利くのか試したくなった俺は、その行動をエスカレートしていったのだが――… 自分で愛梨を脱がせておいて、俺は後悔した。 それは彼女のカラダに散らばる大量のキスマークを目の当たりにしてしまったから。 まさかあんなにつけられているとは思いもしなかった。 服を着ていたトキにチラリと見えた首筋だけじゃない。 胸……肩……腕……腰……腹――…… 数えきれないそれは『このカラダは俺のもの』と力が言っているようだった。 (俺の大切な愛梨は……こんなにも汚されてしまったんだ…)
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