予感

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バッティングセンターを出た後、真が今度は何か食いに行こうと俺を誘ってきた。 真「俺の学校の近くにさー、めっちゃウマい店あんだよ。一緒に行こーぜ!」 力「悪りぃ…俺、水月が心配だから帰るわ。」 西野の家に寄るっていったってそんなに遅くはならないだろう。 それにバッティングセンターで1時間以上も時間潰したわけだし、そろそろ帰ってきてもおかしくない。 俺としたら家に帰ってあいつを待っててやりたい。 真「ん?腹減ってねーの?じゃぁさ、ちょっとスポーツ店行こうぜっ?俺さー、よく分かんねーものあるんだけどさ、おまえ、見てくんねー?」 野球の道具のことだろうか。 つか、そんなもの店員に聞きゃぁ分かるはずなのだが。 力「俺じゃなくてもんなもん分かるだろ?」 真「…ぁ…いや、おまえの方が分かると思うんだよな…俺はさぁ…」 力「いつものスポーツ店だろ?あそこのオヤジ詳しいはずだけど?」 真「ん……けど、おまえの方が……」 あまりにも不自然過ぎる。 (今日の真……絶対ヘンだな……なんか…あるな、これは…) かなり嫌な予感がする。 力「…真……悪りぃ。やっぱ俺帰るわ。」 真「…ぁ…ゆ…由利がさー、今日は水月ちゃんと買い物に行くって行ってたからさ、まだ帰ってきてないと思うんだよ…うん…だから…」 西野の名前が出ているということは、これは西野からの命令を受けているのだろうと俺は思った。 力「…おい…真、おまえ……何か隠してねーか?」 瞬時に強張った真の顔。 それを見た俺は確信した。 真「…えぇっ…!?…か……かかか……隠してなんかねーし……全然だしっ」 これ以上は聞かなくても分かる。 力「…分かった。じゃぁ、その隠してること聞きてーから、一緒にそのウマい店とスポーツ店に行くわ、俺。」 蒼ざめる真を尻目に俺は自転車に跨るのだった。
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