想うがゆえに…

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力は帰省してからというものの、愛に夜な夜なエロいことをしているとか。 そんな力の行為が愛は嫌かというとそうでもない。 おそらくその行為をすることで力は自分の想いを愛にぶつけているのだろう。 遠距離恋愛というその距離から生じる不安――… それを打ち消すかのように二人がそうやって互いの気持ちを確かめるのは当然のことなのかもしれない。 力の行為が激しいということは性格的に考えれば分かる。 だが、祐のようなテクがあるとは愛からまだ聞いたことがない。 おそらく、力は愛一筋だったから愛が初めての相手だったはず。 あいつのことだから、研究熱心にいろいろと情報を集めそれを活用しながら手探りで愛を抱いているのかもしれない。 愛は『力にもされたことがないこと』を祐にされたと言った。 気を失うほどに愛は祐に刻み付けられたって事なのか。 祐が愛にそんなことをするってことはよほどのコトだと私は思う。 やっぱり、祐は愛を諦められないんだろう。 私だってあの二人は絶対に将来一緒になると思っていた。 祐は外ではクールなフリをしていても、陰ではかなり愛に甘く優しかったのだから。 何やかんや言っても祐が愛に惚れていたのは周知の事実。 その二人がまさかの破局――… 祐に激怒した力は愛への想いを解禁した。 その想いを愛にぶつけていき―― そして、愛もまたずっと傍にいてくれた力の大切さを知り、ヤツを好きになっていった―― それはきっと運命だったのだと私は思っている。
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