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翔「だからわかってるって。あいつの気持ちは……俺に興味なんかねーってこともさ。けど、俺は真っ向勝負しか望まねーの。たとえ、愛梨がそれを拒んでてもな…」
自分の言った台詞に思わず苦笑いしてしまう俺。
愛梨のヤツ、マジで俺のこと眼中なしだもんなぁ……
それでも俺は彼女を傍で見ていたい。
アイツの傍にいると俺は俺でいられる。
どんな関係だとしても俺は彼女の存在を感じているだけで今は満足だ。
沙希は口を閉ざしてしまった。
やっと黙ったか…。
とりあえず言うことは言った。
これでもうヘタなコトをコイツは言わねーだろう。
俺は中途半端は嫌いだ。藤沢がいるから諦めるってのは、俺は『理由』にしたくない。愛梨に対しての想いがそんなもんだと自分で認めるようなことは絶対にしない。
あの『碧』の時のように落ち込んで簡単に諦めるくらいなら最初っから『好きだ』なんて言うのは反則だ。
好きなら自分の気持ちが納得いくまで想い続けるのが相手に対しても、そして自分に対しても一番いいカタチだと俺は思っている。
沙「…なんか……タフですね。先輩って…」
翔「タフねぇ……そうかもな。ん、このくらいタフじゃねーとインターハイ優勝なんかできねーからさ…」
そう言うと沙希は初めて俺に対して穏やかな表情を見せた。
(…なんだ……案外素直で可愛いとこあるんじゃね?)
翔「お喋りは終わりな?じゃぁ…そろそろやるか。愛梨に対しての俺の株上げてくれよ?…ハハッ…」
沙「…なっ……」
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