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由「…少しは落ち着いたか?」
ふと見上げると由利ちゃんが部屋に戻ってきていた。
愛「…うん」
由「そっか。洗濯したものは明日になるけどいいよな?」
愛「うん。ごめんね。ありがとう。」
由利ちゃんの心遣いが有難かった。
由「体は大丈夫か?痛いところはないか?」
愛「…ん……大丈夫……」
由「そっか……ならいい…」
由利ちゃんは大きくため息をついた。
そして何かを考えているようだった。
由「…アイツ……ただじゃ済まさない……」
その目は怒りに満ちていた。
でも、私は由利ちゃんを巻き込みたくなかった。
愛「…由利ちゃん……私ね、祐にあんなコトされてショックじゃないって言ったら嘘になるけど……でも、あんなことされても仕方ないって思う…」
由「…仕方…ない…って…」
愛「…祐がね、私を裏切ったんじゃなくって私が彼を裏切ったんだから…」
昨日、私は彼に言われた。
『俺を……こんなに本気にさせておいて?』
彼の想いが胸に突き刺さった。
その言葉に私は祐の私に対する長年の想いを、そして祐との約束を裏切ったのは自分なのだと気づかされた。
あの頃の私は自信がなかった。
祐も私と同じくらいの気持ちでいてくれてたなんて。
嬉しかった。
でも、その気持ちにもう応えることはできない。
今の私には力がいるのだから――…
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