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彼が私の傍にいてくれたのは友達としてだと思っていた。
でも、あの出来事の後、ぽっかり空いてしまった私の心の中に力がストンと入ってきて――
祐がいなくなって気づいた力に対する想い。
それが『恋』なのか分からなくて戸惑いもした。
でも彼の傍にいると自分らしくいられる。
その穏やかな空間は心地よく、いつしか私にとってそこはかけがえのない場所になっていた。
そして次第に惹かれていく想いは止められず――…
彼の傍にずっといたい。
でも、卒業すれば離れ離れになってしまう。
この想いは告げるべきではない。
そう思った私は、溢れそうな彼への想いを心の奥底にしまいこんだ。
けど、卒業式の後に起こったあの惨事――
危険を科してまで私を助けてくれた彼に惹かれる気持ちをもう止められなかった。
それまでも、あの時も、今からだってきっと私は彼が好き。
力は今、夢を掴もうと必死で頑張っている。
大切なGWだというのに、私の為に地元に帰ってきてくれた。
私に淋しい思いをさせないようにいっぱい気遣いをしてくれている。
いっぱいいっぱい彼は私に想いを伝えてくれている。
だから私も彼のその想いに応えたい。
大好きというこの気持ちを。
愛「祐の気持ちには応えられないよ。でもね、祐が卒業まで自分を見ていて欲しいって言うんだったら、私、やっぱりちゃんと祐を見ようって思ってる。」
由「…愛……」
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