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それくらいしか私にはできない。
ずっと想い続けてくれた祐のその想いに応えられないのなら尚さら、私は祐のその走りを見てあげないといけないんじゃないかって思う。
そのくらいの十字架を背負わなければいけないほどの裏切りを私はしたのだから。
そして私も力と同じ風を感じる為にやってる『400』を走ることで、自分の気持ちを祐に分かってもらいたい。
愛「祐にはね、残りの二年で私の想いを少しずつ分かってもらおうって思う。」
由「えっ?」
愛「私が力のことを好きになったのは彼が傍にいてくれたからじゃない。もちろんえっちしたからでもない。ただ、私が彼を求めてるんだって……」
祐には私が『400』をする意味を以前、伝えている。
祐が私を想って走るって言うのなら、きっと私の走りを見て、私の想いを理解ってくれるはず――…
由「…愛……けど、あんたそれで大丈夫なの?」
大丈夫と思いたい。
でも、やっぱり不安だ。
次、祐と顔を合わすのだって考えただけでも怖いし。
もしかしたら、これからだってまた祐に何かされるのかもしれない。
愛「でもね、それでも今は祐と向き合わないといけないって思うから…」
あの頃の祐がまだいるのなら、いつかきっと私の気持ちを理解ってくれると信じたい。
愛「力は……ずっと傍で私を見ていてくれた。だから今度は……私が力を支える番なんだって思う。だからね、私…力が思いっきり進んでいけるように心配かけることは絶対に言わない。力の夢が叶うまで……私は彼に心配かけないように……祐とのことは自分で何とかするから…」
由「…愛…あんた……」
そんな決意をした私の知らないところで、力と私の、そして祐と私の人生を揺るがす運命の出来事がもうそこまで迫ってきていた――
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