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俺が向かったのは寮の裏に完備されたピッチングの練習場所。
時間も遅いということもあり、もうそこには誰もいない。
時計を見ると、もう10時を廻ろうとしている。
(っつーか、こんな時間に投げてたら寮のヤツらにメイワクか。まぁ、でも一球だけでも…)
モヤモヤするその気持ちを振り払いたかった。
俺はボールを握りしめると、数十メートル先の的へと狙いを定めた。
そしてボールを投げ込むと、いい具合に的のど真ん中に球は吸い込まれた。
………パーンッ……
その的は布製。
比較的、音が響きにくく思ったより音は響かない。
俺はボールを拾いにいこうと、的の方へと足を向ける。
と、その時、そのボールを先に拾う人がいた。
橋本「……帰ってたか……」
目の前には俺が投げたボールを拾う監督。
力「…監督……」
監督は俺にその拾い上げたボールを放った。
……パシッ……
力「…ありがとうございます」
橋本「こんな時間に……どうした?」
力「あ……なんとなく投げたくなって…」
橋本「…そうか……」
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