二人の夢

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力「…水月……悪りぃ……さっきの…」 愛「あぁ、うん。亮クン…って言うんでしょ?ルームメイトって言ってた。すっごい面白い人だよね。なんか、生年月日とか血液型とか教えてくれたけど…」 (あんのヤロー…何を話してるのかと思えば……) 愛「なんかね、私と相性いいとかって言ってた…」 (は?相性がいい?!つーか、何でアイツそんな相性とか詳しいんだよ…女じゃあるまいしっ…) 力「…アイツちょっとおかしーから…」 愛「そうかなぁ?いい人だと思うよ?……力のコト、凄い褒めてたし…」 (え?亮が俺を褒めてた?) さっきの電話の内容から、どう考えても水月を口説いてるようにしか俺には思えなかったのだが。 愛「なんか亮クンって冗談ばっかりの人でよくわかんないけど、でもホントいい人そう。力、良かったね。いい友達が同じ部屋で。」 人の携帯で人の女と勝手に話すようなヤツのどこがいいヤツだというのだろうか。 亮は根は悪いヤツではない。 だが、さっきみたいなことはさすがに度が過ぎている。 (アイツ…後で絶対にボコボコにしてやるっ…) 力「…つーかさぁ、もしかして、アイツ、おまえに電話した?」 愛「…あっ……違うよ。私が電話したの。力……メールしても返事こないし。なんか……その……心配で……」 今夜、水月に電話するとか言いながら、約束の時間を思いっきり過ぎてたワケだし、そりゃ心配もしただろう。 力「…ごめんな。ちょっと外出ててさ…」 愛「外って…こんな時間に?」 力「…あ……仲間とのさ……話が長引いちまって……ゴメン…」 監督と例の話をしていたなんて言えるはずもなく、俺は話を誤魔化した。 愛「そうだったんだ…。電話出ないし、どうしようかなぁって思ってたんだ。そしたら、亮クンが取ってくれて、力いないって…。私がちょっと心配してたからか、亮クン、気を遣ってくれたんだと思う。何かいろいろ面白いこといっぱい言ってくれて…。だから、亮クンのコト責めないであげてね?」 水月はそう思ったのかもしれない。 だが、単純に亮は絶対に水月と話したかっただけだろう。 それを水月はまた違うように解釈してるわけだろうが、まぁでも水月がそういうなら――… 力「分かったよ。おまえがそう言うんだったら…」
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