69人が本棚に入れています
本棚に追加
/605ページ
球場に着くとバスの運転手さんがわざわざ私を呼んでくれた。
運転手「着きましたよー?」
球場が終点だったみたいで、終点まで乗っていたのは私ひとりだった。
愛「ありがとうございますっ」
運転手「どういたしまして。こちらへは初めてですか?」
愛「はいっ」
運転手「球場内への入口…わかりますか?」
愛「えっと…」
運転手さんは丁寧に入口までの行き方を教えてくれた。
愛「ありがとうございましたっ」
バスの運転手さんに言われたとおりの道を行くと、球場内への入口に辿り着くことができた。
愛「やったぁっ!」
(ひとりでこんなところまで来れちゃったっ)
自分で自分に感心しながら球場内に繋がるその階段を上っていくと、そこには待ちに待ったパノラマが広がっていた。
天気は快晴。
球場では既に選手達が練習をしていた。
(…力…どこにいるのかなぁ……)
選手の着ているユニフォームを見て、力達のいる場所が一塁側と分かる。
私はバックネット裏の少し一塁寄りに座った。
練習試合ということもあり、それほどお客さんはいなくスタンドは空いていた。
これなら私がどこにいるかってきっとわかるよね。
力はセンターだし守備の時に確認してくれそう。
『水月クンっ!』
その時、聞き覚えのある声が私のすぐ傍で聞こえてきた。
振り向くとそこにいたのは……
最初のコメントを投稿しよう!