69人が本棚に入れています
本棚に追加
/605ページ
私は思い切ってお祖母ちゃんに彼のことを話すことにした。
祖母「そうかい、そうかい。それでその子は確か『ツトム君』って言う名前だったかねぇ…」
愛「…えっ…なんで…?」
お祖母ちゃんの口からまさか彼の名前が出てくるとは思わなかったから驚いた。
祖母「野球やってるんだよねぇ……」
愛「え…ちょっと待って。お祖母ちゃん…彼のコト……どこまで…?」
祖母「ん?中学校まで愛梨と一緒だったんだろ?で、高校は池川学院。野球部でピッチャー。そういえば、中学の時は途中から愛梨のいる陸上部に来たんだよね。」
愛「…そ…そんなことまで…?」
かなりの情報がおばあちゃんに入っているようで少し恥ずかしくなった。
祖母「それは洋太から聞いたけどね……」
(…おっ…お兄ちゃん?…あぁ…となると、もうこれは…)
お兄ちゃんのことだから悪気なくきっと事細かくお祖母ちゃんに説明しているに違いない。
祖母「で、ツトム君は元気にしてるのかい?」
愛「……うん……」
祖母「久しぶりに……会ったのかい?」
お祖母ちゃんにはやっぱり隠し事ができそうもない。
私はこの日、初めてお祖母ちゃんに彼とのことを話したのだった。
最初のコメントを投稿しよう!