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私は自分なりに頭の中を整理していた。
さっきの会話からすると、どう考えても私の好きな人に関わる話。
そしてお母さんは凄くそのコトについて剣幕な口調。
お母さんはあの男性の言い分を拒否してるように私には思える。
もしかしてあの男性が私に誰かをってお母さんに薦めているのだろうか。
(っていうか、ちょっと待って…えっ?それってば、まさか……お見合い?そんなのやだよぉ。私には力がいるんだもんっ…)
老人「…しかし……そうでないと……グループを……がないと言って…」
愛母「…そんなものはそちらの都合でしょう?愛梨には関係ありませんっ!」
それまでよりも大きな声で発したお母さんのそのセリフが私の耳にはっきりと聞こえた。
間違いなく、お母さんはその男性に何かを断っているようだった。
お母さんはたぶん私と力のことを守ってくれている。
(けど…さっき、あの男の人…グループがどうだか言ってたけど……どういうコトなんだろう…)
もしかしてあの男性ってどこかのお金持ちの人かもしれない。
でも、そんなもの私には関係ない。
結婚するならやっぱり好きな人とがいい。
彼と……力と一緒に私はこれからだっていたい。
私はその二人の会話が無事に治まることを手を合わせて祈りながら、その会話を聞いていた。
老人「…そうですか。それならこちらにも……考えがありますので…」
突如聴こえたさっきまでとは違う低く暗いトーンの男性の声――
そしてその男性はくるりと向きを変えてそこを後にしようとした。
愛母「…ま…待ってくださいっ!……大泉さんっ!」
(え…?)
耳を疑った。
私の聞き間違いじゃなければ今お母さんが言ったのって――…
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