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ここはがんセンタ――
つまり、ここに入院しているということは祐のお母さんがガンということ。
祐「…母さん……乳ガンでね…」
小さい頃、私は祐のお母さんによくしてもらった。
祐がいなくても、祐の家に行くと、祐のお母さんは私を快く迎えてくれて、いろんな話をした覚えがある。
その中でも一番、話したのは『将来のこと』だった。
『私……祐の…お嫁さんになる……』
そしたら祐のお母さんは『待ってるね』っていつも優しく微笑んでくれた。
私はそんな祐のお母さんが大好きだった。
そのお母さんがここに入院しているなんて――…
愛「……祐……お母さん…どうなの?」
祐の顔が一瞬にして陰った。
祐「…実は……あまり良くないんだ……」
愛「…良く……ないって……」
すると祐はその視線を逸らして――
祐「…あまり長くないって……言われてる…」
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