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愛「…祐……ごめんね……私……」
お祖父さん達が決めた約束事を私はやっぱり受け入れることはできない。
祐「ん……分かってるよ…」
愛「あ…えっと……祐のお祖父さん……なんか、跡継ぎがどうこうって言ってたけど……あれはどういうことなの?」
さっき、お母さんと祐のお祖父さんが『グループ』とか『跡継ぎ』とか言っていたことが私はすごく気になっていた。
祐「…あぁ…俺さ、卒業したら祖父さんの会社継がないといけないんだ。」
愛「えっ?お祖父さんの?」
祐「うん。なんかやたら大きい会社でさ。俺なんかが継げるレベルじゃないっていうのに…」
そういうと祐は大きな溜息を洩らした。
愛「そんな大きな……グループなの?」
祐「…まぁ……そうだね。けど、気にしなくていいよ。」
愛「でも……私……そんな大きな会社の……跡継ぎになる祐の許婚だったんでしょ?なのに…」
そんな大それたことを簡単に破棄などできるのだろうか。
祐「…もういいんだ。祖父さんのことは俺が何とかするから…」
愛「なんとかするって……そんなこと…できるの?」
祐「さぁ?どうだろうね。まぁでも、後継者のことについてはもう考えなくていいからさ…」
愛「でも…」
祐「大丈夫だよ。愛梨は気にしなくていいよ。望まない結婚なんてやっぱりすべきじゃないよ。どんな理由があろうともね…。だから、愛梨の母さんにも言っておいて。心配しなくていいってさ。」
愛「……祐……」
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