69人が本棚に入れています
本棚に追加
/605ページ
大泉グループという大きな権力がどれほどのものかなんて俺にだって分かる。
だが、だからといってその事実を本人に黙っていていい訳がない。
いくらその事実を隠していても、いずれ愛梨はその事実を知ることになる。
その時まで隠し通せたとしても、その時になってそれを言えば、愛梨はどれだけほどショックを受けるだろうか。
知らせずに何とかしようと足掻いているのかもしれない。
けれど、タイムリミットがもうそこまで迫ってきている。
確実に……大泉グループは動き始めている。
翔「藤沢はかなりのリスク背負ってるぞ?しかも、今の時点で考えると勝ち目なんてねーよ。」
それが現実だと俺は思う。
いくら藤沢が野球を辞めてこれから来年のインターハイに向けてその身を削ったとしても、今の大泉にはまず勝てない。
それくらい坂田の築き上げた俺たちの学校の陸上部のメニューは計算され徹底されているもの。
それをもう大泉は一年以上熟してきた。
大泉は今年でさえ敵なしと言われている。
そんな大泉に対抗するなんてあまりにも無謀過ぎる。
例えそれが愛する人の為だとしても――
洋「俺も親もさ、なんとかしねーといけないって思ってんだ。けど、祐の祖父さんに何度話しても…」
洋太の顔には悔しさが滲み出ていた。
最初のコメントを投稿しよう!