69人が本棚に入れています
本棚に追加
/605ページ
クラス替えの表を確認し、二年の校舎へと向かう私たち。
翔「よっ!」
愛「あわわっ……」
背後からいきなり翔先輩の声がしたものだから思わずヘンな声を出してしまった。
翔「…なんつー声だよっ」
彼の名前は『河合翔(カワイショウ)』。
陸上部の同じ跳躍仲間の先輩。
三年生だ。
高校一年でインターハイ出場。そして二年のインターハイでは全国制覇を成し遂げた、今、跳躍界でもっとも有名な人だ。
そんな彼は今日もその校則違反まがいな茶髪の髪を目立たせていて……
さっきからすれ違う生徒がチラチラと彼を見ていく。
学校でも知らない人がいないくらい女好き。
数々の女の子を泣かせてきたということでも名高いこの先輩が、まさかの全国覇者というこのギャップに、最近更にファンが増えつつあるという噂も聞く。
そんな先輩と私の出逢いは超サイアクで、私はどれだけこの人に傷つけられ、嫌いで脅えていたか。
でも、今となってはそれは懐かしい思い出。
今は私にとって心許せる先輩の一人になっていた。
最初のコメントを投稿しよう!