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開かれたエレベーターのドアの向こうには黒いスーツを来た連中が気持ち悪いくらいいた。 (なっ……なんだ?コイツら…) ほとんどの連中が俺と同じくらいの身長でガタイが良い。 いわゆるSPとかいうやつだろう。 小笠原「祐様の病室はこの奥でございます。」 その気持ち悪い黒服連中の間をすり抜けるように俺は小笠原に着いていく。 (それにしても趣味の悪いつくりだな……) 俺の歩く通路の窓際は何故かほぼガラス張り。 高層階のそこから下まではっきりと見える。 (高所恐怖症の水月にとったら地獄のような場所だな…) 暫く行くと、今度は大理石で作られただろうウォーターホールが見えてくる。 (何の意味が?つか、ここ本当に病院かよ…) あり得ないその院内の内装に俺は大泉グループの大きさを感じていた。 (…やっぱ……祐はすげーとこの跡継ぎなんだな…) そんなことを思っていると、 小笠原「こちらでございます。」 案内されたそこには俺の知るヤツラがいた。 真「力っ!」 俺に気づいた真が俺の元へと駆けてきた。 力「遅くなったな。…あっ…西野も……ん、悪りぃな…」 西野はその待合用のソファーに座ったまま俺に手を上げた。 そしてその横には水月の先輩である河合が腕を組んで座っていた。 力「…で、水月は…?」 真「あぁ…中にいるよ…」 そういうと真はその特別室の入口を指で指す。 力「…そうか……で、祐の容態は?」 真の顔が一瞬にして強張った。 その表情は祐の状態がかなり危険なことを示していた。 俺は真の肩を軽く叩くと、河合の元へと向かった。 力「…連絡くれたそうで。有難うございます。」 西野の話によると、ヤツが西野に連絡をし俺を呼ぶようにと指示したらしい。 翔「…いや、当然のことだ。ん、それより、愛梨……だいぶまいってるみたいだから…」
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