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俺は特別室の方へと目をやった。
(…水月……大丈夫だろうか…)
翔「面会謝絶だってのに大泉の傍にいたいからって、ずっとつきっきりでさ…」
由「まぁ、こんな時だから仕方ないんだけど…だからといってねぇ…」
真「んー…仕方ねーじゃん。なんやかんや言っても水月ちゃんにとったら祐は幼なじみには変わりねーんだからさ。」
幼なじみ――…
そして水月にとっても祐にとってもお互いが初恋の相手だ。
俺は思い出していた。
水月が小学五年の時に生死を彷徨っていたあの日のことを――
今まさにあの日とは逆の立場。
水月はおそらく、あの時の祐の想いを感じているに違いない。
あの時は祐が水月を呼び戻した。
(……水月……おまえは……祐を呼び戻せるのか?)
小笠原「お話中…失礼します。」
振り向くと執事の小笠原がいた。
小笠原「この度は祐様の為にご心配をおかけして申し訳ありません。」
小笠原が深々と俺達に頭を下げる。
小笠原「小康状態が続いております。暫くお待ちいただくことになるのですがお時間は大丈夫でしょうか。」
そんな小笠原に俺は歩み寄った。
力「時間も何も…それより祐の具合はどうなんだよ?」
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