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数時間前――…… 部活を終えた俺は寮で携帯のチェックをしていた。 今日、水月はばぁちゃんの見舞いに行っている。 GW中、俺たちは、俺ん家に来ていた時に伯父さんと母さんから俺のじーちゃんと水月のばーちゃんが、昔つきあっていたということを聞いた。 そして、そのことを今日、水月が学校の帰りにばーちゃんに聞きに行くと言っていて―― 昨日の電話でそんな風に張り切っていたことを思い出した俺は、その二人の間で取り交わされただろう内容が気になっていて、水月にその内容を報告して欲しいと頼んでいた。 だから今晩は、その件に関しておそらくメールが入ってくるんじゃないかと思っていた。 ところが、俺の携帯に入っていたのは水月からのメールではなかった。 真、西野、そして見たことのない番号の大量の着信履歴だった。 そのメールの内容を見た俺は寮を飛び出した。 監督に休暇届を出した俺はすぐにその目的地へと向かった。 真たちのメールは信じられない内容だった。 祐が危篤――… そして、水月が祐の元へと向かったという内容。 向かってくる途中、何度となく真と西野に連絡を取った。 そして、俺は二人から祐がとんでもない事件に巻き込まれたという事実を知らされた。 大泉グループの後継者である祐が殺されかけたという衝撃の知らせ。 小笠原「祐様はかなり危険な状態だと聞いております。」 力「つーか、どうしてこんなことになったんだよ?」 納得がいかなかった。 どうして、こんなことに祐が巻き込まれているのか。 力「ちゃんと説明してくれるんだろうな?」 すると小笠原は近くにいた関係者たちを人払いした。 そしてそれを確認し、俺に向き合うと、 小笠原「実は大泉グループは来年、祐様の誕生日に正式に祐様がトップとして就任することになっています。しかし、それを良く思わない輩もいまして…」 力「…その良く思わない輩が祐を…?」 小笠原「そうですね。祐様が居なくなれば、大泉グループは祐様の妹の幸様しか後継者がいなくなります。しかし、幸様は女性ですし、祐様のお母様が断固反対しておられて。それに幸様には婚約者がおられます。ですから…」 力「祐がいなくなれば大泉グループは、血筋を絶やすことになるってことか…」
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