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坂田「ノーヒットノーラン…か…」
その現実に私は唖然としていた。
(凄すぎるっ……力凄いよぉ……っていうか、どうして今の今までピッチャーになったこと教えてくれなかったのっ…)
力がクールダウンを始める。
私はそれをジッと眺めていた。
その時、傍にいた坂田先生が、
坂田「水月クン、これから予定はあるのかね?」
愛「いえ…後は帰るだけですから…」
坂田「藤沢君には会っていかないのか?」
愛「え…あ…だって、会うわけには…」
そんな私達のところにさっき坂田先生が手を上げていた池川の顧問であろう人が一塁から駆けてきた。
坂田先生はその顧問の先生のいるバックネット裏の球場の中に一番近い場所へと階段を下りていく。
久しぶりの再会なのだろうか。
異様に盛り上がっているようで互いの顔は綻んでいる。
そんな二人が同時にこっちを向いた。
(…えっ…?…私を見ている…?!)
後ろを振り返ると私以外に誰もいない。
(…やっぱり…私見られてる?)
その時、坂田先生が私に手招きをしてこう言った。
愛「水月クン…こっちに来なさいっ」
(えぇっ!?)
一瞬にして血の気が引いた。
(坂田先生……なんで…っ…)
とはいえ、断ることもできず、私は坂田先生に言われるがまま、その場所へと向かうのだった。
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