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祐が……俺と水月のことを認めてくれた? しかも、祖父さんのところへ行ったって…… 跡継ぎの件は今日、正式に引き受けることを伝えたと執事が言っていた。 『今日』って…… 祐の中で何かが動くようなことがあったのだろうか。 水月を諦め、大泉グループを継ぐその意志を固めたということは、相当な決意のはず。 あれから二週間の間に祐の心を揺さぶる大きな出来事があったのかもしれない。 力「祐が俺達のコト認めてくれたって。それ本当なのかよ?」 愛「うん、本当。祐、言ってた。婚約のことも何とかするって…」 俺の頭の中は疑問だらけだった。 祐がどうしていきなりそんなことを水月に言ったのか。 俺は不思議でならない。 祐は俺には勝負を吹っ掛けてきた。 それなのに水月に婚約解消を意味するセリフを放ち―― 俺と水月の間でその会話が取り交わされるかもしれないのに、この短期間でどうして俺に言ったことを否定するようなことを水月に言ったのか。 力「水月……俺、やっぱ納得いかねーんだけどさ……」 愛「でも……本当なんだよ?」 言ったことは本当のコトだろう。 しかし、祐がそれを本気で言ったなんて俺には信じられない。 祐もまた俺と同様『有言実行』の男だ。 その祐がいとも簡単にそれを曲げてしまったのには何か理由があるに違いない。 俺は眠っている祐に向かって叫んだ。 力「…祐!おまえちゃんと説明しろよ!?そんな筋の通らねー話があってたまるかよっ……俺を…ちゃんと納得させろよ!?」 その時だった。 突然そのドアが勢いよく開かれて―― 小笠原「どうかされましたか!?」 執事の小笠原が血相を抱えて入ってくる。 おそらくさっきの俺の声があまりにもデカかったから驚いて見に来たのだろう。 愛「…あっ……あの……なんでもないんです…」 小笠原「…そうですか。凄い声が聞こえたので、祐様に何かあったのかと思いまして……失礼しました。」 そういうと小笠原はその場を去っていこうとする。 力「おいっ…ちょっといいか?」 俺は執事を引き止めた。 小笠原「何か?」 力「聞きてーことがあんだけど…?」 なんとなくこの執事に聞けばその理由が分かるような気がした。 小笠原「…向こうで……話しましょうか…」 そんな俺を不安そうな目で見つめる水月。 力「ここじゃ、祐が落ちつかねーだろ?…俺、向こうで話してくっからさ。…ん……祐のこと……見ててくれな?」 そう水月に言い残し、俺はその小笠原の案内する部屋へと向かった。
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