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暫くすると力がシャワー室から戻ってきた。
力「水月ー……ちゃんと髪、乾かしたかー?」
ボサボサの髪をタオルで拭きながら彼は私の方へとやってきた。
愛「…あっ…うん…」
力はなんと腰に一枚タオルを巻いただけで出てきていた。
何度となく見ている彼の裸体。
だけど、やっぱりまだ慣れない。
少し乱れた髪と肌に残る水滴が男の色気を漂わせている。
(こうして見ると、力ってなんだか凄い色気あるんだよね……)
薄暗い照明のせいだろうか。
妙に色気のある彼の裸体に恥ずかしくなった。
そんな私に力は気づいたようだった。
力「…なんだよ…ん?なーに恥ずかしがってんだよ?俺のなんか何度も見てんだろっ?ほらっ……見せてやろうか?」
彼はニヤニヤしながら近づいてきたかと思うと、腰に巻いていたそのタオルを私の目の前で外そうとする。
(…ひぃっ……)
愛「きゃぁぁぁぁーーーーー!」
慌てた力が私の口を押さえにかかってくる。
力「…っ…おまえ、声デカ過ぎッ!煩いっつーの!ていうか、冗談に決まってんだろ!」
愛「…だ……だだ……だっ…だって…」
力「おまえさぁ、いい加減慣れてくれよ?」
愛「…そんなの……慣れないよぉ……」
(慣れるワケないっ…だって男の人のモノって……その……なんていうか…もうやだぁ…)
そんなパニック状態の私の表情を楽しみながら力は着替えを済ませた。
そして私の傍にくると、
力「まぁな。なーんも知らなかったおまえだしなぁ。ん、まだまだ先は長いからな。ゆっくりと俺が教えてやるよ。…ん……けど、まずは祐に復活してもらわねーといけねーんだけどな…」
さっきまでは悪戯な顔をしていた彼だった。
だけど、今は――
愛「…力……」
力もやっぱり祐のことを凄く心配しているようだった。
力「…水月……俺さ、さっきも言ったけど、祐にはさ、絶対におまえとのこと、ちゃんとしたカタチで納得させてーんだわ。」
愛「ちゃんとした……?」
力「そ。アイツさ、GWに俺に勝負吹っ掛けてきたって言っただろ?あの時のアイツの顔すげーマジだった。アイツがおまえを見る目ってさ、今も昔と全然変わってねーよな…」
そういうと力は私を彼の方へと引き寄せた。
力「今さらだけど、そんな簡単にアイツがおまえへの強い想いを諦められるはずなんてなかったんだと思う……」
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