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亮「(おい…あれ、みづきみづきちゃんじゃねーの?)」
試合後、亮が慌てて俺に近寄ってきた。
力「(しーっ!うっせーよ!)」
ってか、どんな名前だよ「みづきみづき」とか。
水月はそんなワケの分からねー名前じゃねーんだっての。
うちの学校の野球部は女にはかなり煩い。
だから水月の存在は絶対にバレないように日頃から気をつけてきた。
亮「(試合見にくるなら言ってくれよ?)」
力「(アホか!誰がおまえに言うかっ!)」
亮「(で、これから会うのか?)」
力「(会えるわけねーだろっ!)」
初マウンドでノーヒットノーラン。
本当はめちゃくちゃ嬉しいし、この俺の記念すべき日に一緒にいたいって気持ちはある。
しかし……
亮「(おいっ!あれ見てみろよっ!)」
(えっ…!?)
俺は目を疑った。
なんと、うちの監督が水月の学校の陸上部顧問の坂田と水月と話をしている!?
(どうして坂田が試合に来てんだよ?しかも何でうちの監督と話をしてんだ!?)
亮「(あの監督と話してるおっさんって誰?)」
力「(…あれは……だなぁ……)」
その時だった。
監督がこっちを振り返った。
(やべっ…)
しかも坂田までこっちを見ている!?
俺は何事もなかったかの如く顔を逸らし、帰る準備を始めた。
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