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愛「ごめんね……」
これからはもっと彼を信じようと思った。
私が思っている以上に彼は冷静に物事を見られる人なのかもしれない。
やっぱり力は私よりも大人だ。
力「だから謝んなって。ん、俺さ、もっとおまえにふさわしい男になるからさ。」
『ふさわしい男』
そう彼は言うけれど、十分彼はいい男だと私は思っている。
むしろ、ふさわしくならないといけないのは私の方だ。
愛「ん……あのね。私も力にふさわし女になるから…」
力「なーに言ってんだよ?おまえは俺にはもったいねーくらいの女なんだよ。あ……けど、ふさわしい女って言うんだったら、もっとエロい女になってくれてもいいけどな…ハハッ…」
そう言って彼は悪戯な顔をして笑った。
愛「…ちょ……もうっ……どうしてそんなに力は…っ…」
力「仕方ねーだろ。つーか、男はこれくらいエロくねーと男じゃねーってんだよ。俺はまともなんだって。おまえはもっと俺に近づいてエロくなれって…俺さぁ、エロい女が好きなんだよなぁー…」
そう言って意味深な顔で私を覗き込む。
愛「…じゃ…じゃぁ、私がそうじゃなかったら力は嫌いになるの?」
力「…あ…いや……そういうワケじゃねーんだけど。つーか、まぁ、いいや。うん、そうだよ。俺がおまえを俺とつりあうエロい女に仕立ててやるわ…ハハッ…」
愛「な…何考えてるの……もうっ…」
あまりにヘンなことばかり言う力に呆れた私は、そんな彼からカラダごと背けた。
するとすぐに彼は背後から抱きしめてきて――…
力「…冗談だって。ん……おまえはさ、そのままでいいよ。そのまま俺の傍にいてくれたら俺はいいからさ…」
愛「…力……」
力「俺、絶対におまえを幸せにしてーからさ。だからその為にも祐の無事を祈ろう。で、元気になった祐と勝負して勝つ。ついでに選手権も優勝してさ、卒業したら堂々とおまえを迎えに行くから。だから、それまで俺を待っててくれないか?」
私はそんな彼の方へ振り返った。
そこには私を真剣に見つめる彼がいた。
どちらからともなく唇が合わさった━━…
愛「…うん……私…待ってる……」
そっと抱き締める彼の温もりに安心感を覚えた私はその腕の中で眠りに落ちていった――
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