願い

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ふと時計を見るともう午前4時。 (もうこんな時間かよ…) 俺の腕の中には少し前にようやく寝ついた水月がいる。 彼女は俺の腕の中に入るといつもすぐに眠ってしまう。 しかし今日ばかりはさすがの水月もなかなか寝つけなかったようだった。 そんな彼女の姿を見つめながら俺はいろんなことを考えていた。 (……水月……俺……これからもおまえの傍に居てもいいんだよな……?) 数時間前、俺は河合、真、そして西野から衝撃的な事実を聞いた。 と言っても俺が無理矢理言わせたのだが。 真には悪いが、アイツの性格も判った上でカマをかけた。 すると、まんまと真は引っかかり、ずっと隠していたその事を吐き出してしまった。 水月が……祐のその手で何度も犯されたという事実――― それを聞いた時、俺は怒りが収まらなかった。 祐に対してじゃない。 水月に対してでもない。 それを気づかなかった自分に俺は腹が立って仕方がなかった。 何とか怒りを鎮めようと壁を殴ろうとした。 だが、それを河合に止められた。 選手権前の大事な時にそんなことをするなと。 そして皆から話を聞いていくうちに俺は冷静さを取り戻していったのだが―― (…水月……ゴメンな…) 俺が彼女を好きにならなければ、もしかしたらこんなことにはならなかったのかもしれない。 けど、俺はもう引けないくらい彼女のことが好きだ。
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