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俺は覚悟を決めて答えた。
力「はい。」
いずれ何らかの形でバレるかもとは思ってはいた。
こうなったら向かい合うしかない。
水月は今にも泣きだしそうな顔で俺を見つめている。
力「…水月……大丈夫だからさ……」
その時、坂田が笑った。
坂田「藤沢君…悪かったっ」
(…は?)
坂田「水月クンにはさっき球場で紹介したんだがな、橋本とは旧友でな。おまえ達のコトは橋本も前から知っておるんだ。」
力「えっ?」
その事実に俺は驚きを隠せない。
まさか監督が俺に女がいることを知っているとは夢にも思っていなかった。
橋本「しかしなぁ……うちの野球部は恋愛御法度だからな。さて、どうする?藤沢!?」
監督は真剣な顔をして俺を見ていた。
まさか、俺達を別れさせるためにここに連れてきたのだろうか。
けど、俺は水月とは絶対に別れるつもりはない。
俺は監督に向き合った。
力「監督、すみません。俺、こいつとは何があっても別れるつもりはありませんっ!」
冗談じゃない。
ようやく彼女に想いが通じてこれからって時にどうしてこんな野球部のよく分からない規則で俺たちが別れなければいけないのか。
俺は何があっても彼女を手放さない。
俺は彼女を見て頷いた。
(心配すんな!)
しかし、水月は俺を見つめて首を振る。
(言っちゃダメっ!…って…)
俺は監督を見据えた。
そんな俺を監督もまたジッと見ていた。
が、いきなり監督が噴き出し、
橋本「…クッ…坂田っ!…思っていたとおりの反応だな。」
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