その笑顔があれば

5/7
前へ
/605ページ
次へ
そう言って祐はその吊られた足を指差した。 愛「じゃぁ、祐の代わりにも頑張って走るよ。」 祐「ん、嬉しいよ。じゃぁ、俺が車椅子で学校まで行って見てあげるよ。ん…いつからにしようか?」 (え?てか車椅子って…?) 愛「だっ…ダメだって……そんな無茶しちゃ…」 祐「じゃぁ、松葉杖くらいになったら……いい?」 (…ま…松葉杖って……) 愛「…ダメだよ、それも……」 祐「けど、そんなこと言ってたら間に合わないんじゃないの?ちゃんとひとりで練習できる?なんか心配だなぁ…」 愛「…もうっ、祐ってば……大丈夫だよ。坂田先生もいるし、それに崎田クンだっているんだから…」 力「そうそう。しっかり治してからにしろよ。ん……けど、俺も心配だわ。おまえ、抜けてるトコあるからなぁ。インターバルとか嫌だからってテキトーなコトすんなよ?…あ……よしっ!そしたら、俺が崎田に言っておくよ。ちゃんとやってるか毎日連絡頼んでおくからさ。」 愛「えっ…えー……そんなぁ……」 力「ちょ…おまえ、その返事はまたテキトーなコトをするつもりだったのかよ。」 愛「だって……嫌いだもん。インターバル…」 前言撤回。 祐のことはともかく部活に関してはどうも大丈夫そうでない。 祐「愛梨……400はね、そんなに甘くないんだよ?インターハイ目指すんだったら最低、坂田先生のメニューくらいは簡単にこなさないと…」 力「あのさぁ、おまえのあのメニューなんか序の口だぜ?俺の野球のメニューに比べたら1/100にも満たねーっての。」 そんな祐と俺に説教じみた言葉を食らった水月がボソッと言った。 愛「私は…二人とは違うもん……それに…」 力「それに…?」 意味深な顔で俺を上目遣いで彼女は見つめた。 そして、次の瞬間、思いもよらないセリフが彼女から出て、 愛「…力は変態だもんっ…」
/605ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加