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その襖の隙間から寝室が奥にあるのは俺も気づいてはいた。
(つか、監督……何言ってんだ!?)
水月もまたそれに気づいたのか、真っ赤な顔をして俯いている。
橋本「おっ…水月クンも酔っ払ったかぁ?…ん?顔が赤いぞぉ?熱があるなら藤沢に看病してもらったらいい…」
力「…っ……」
坂田「おいおいっ…橋本…ちょっと飲み過ぎじゃないか!?」
さすがの坂田も苦笑いだ。
橋本「坂田ぁー…!俺は嬉しいんだよ。藤沢がうちの危機を乗り越えてくれたのが…」
監督は俺の初勝利が相当嬉しかったようだ。
それもそうだ。
池川はここ数年ピッチャー層に悩まされていた
そして昨年今年とピッチャーはあまりにヒドいヤツらばかり。
まともに投げられるヤツがいず、昨年の選手権なんてサイアクだった。
橋本「…藤沢ぁ……これも彼女のおかげだなぁ……これからも大事にしろよぉ~?」
心配もどこへやら……
俺たちが晴れて公認の仲になった瞬間だった。
坂田「それじゃぁ悪いが…ちょっと出てくるから…ん、藤沢クン、後は頼んだぞ?」
そう言って坂田に支えられながら監督は料亭を後にした。
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