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(…結婚か……)
いつか彼女と一緒になれる日がくるのだろうか。
そうしたら俺は毎日一緒に過ごせて、手作りの飯を食えて…夜は……
(…水月……)
俺は妄想に耽りながら彼女を見つめていた。
力「…なぁ……俺…もう腹いっぱいなんだけど…」
妄想でもう飯どころじゃなかった。
愛「え?だってあんまり食べてないじゃない?試合の後なのにお腹すいてないの?」
力「…いや、食いたいものはあるんだけど…」
愛「え?何?甘いもの?チョコならバッグにあるけど…いる?」
そう言って彼女はバッグの中を探り始める。
(……水月……違うって……)
俺の目線は襖の隙間から見える奥にいっていた。
愛「…でも、チョコはデザートだからねぇ……」
そういうと俺のところへやってきて傍に座ると、バッグから取り出したチョコを膳の上に置いてくれた。
愛「はい。後でだよ?」
そう言って至近距離でニコッと笑みを浮かべた。
久しぶりのその笑顔の破壊力はハンパない。
力「水月……」
俺は彼女の手にそっと触れた。
そして、彼女の顔を見ようとしたその瞬間……
(あれ?彼女がいない!?)
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