69人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は彼女から持っていた箸を取り上げ、箸置きへと戻した。
力「…俺、自分で食えるからさ…」
そういって彼女を俺の方へ引き寄せると彼女を一気に抱き上げた。
愛「…えっ…えっ…ちょっ……」
暴れる水月をしっかりと抱き寄せ、俺は奥の部屋へと突き進む。
九割程度閉めてあった襖の間に足を引っ掛け蹴ると、そのまま部屋に入り、彼女をその布団の上に下ろした。
…トサッ……
そして俺は彼女に覆いかぶさる。
愛「…ちょ…力…こんなところで…ダメだって…」
水月は必死に抵抗する。
力「…学校の先生公認だぞ?構わねーよっ」
愛「…せ…先生たち…酔っ払ってたし……」
力「知るかっ。どーせアイツらもそーいう店に行ってんだろ?」
愛「えっ……そういう店って?」
(……忘れていた。コイツはこういうことに疎いヤツだったな…まぁ、いいや…)
力「…知らなくていいよ。つか、アイツら当分、帰ってこねーんだしさぁ…」
そう言って俺は彼女に迫った。
愛「…だ…だめーっ!!」
力「なんでだよっ?」
愛「…だ…だって…」
(だってもへったくれもあるかっ!こんな状況下で我慢しろっつーのがムリだっつーのっ!)
力「…おまえ、俺にお祝いしてくれねーのかよ?」
愛「え?お祝い?」
力「ノーヒットノーラン…おまえに見せたくて頑張ったんだぜ?」
俺は今日のあの瞬間を水月に見せたかった。
だからしっかり調整してこの日を迎えた。
そして結果を出したわけだし彼氏としてその権利は充分あるはず。
愛「…それはっ……で…でもね、私どうしても気になることがあるのっ。どうしてピッチャーに転向したこと、前もって私に言ってくれなかったの?」
最初のコメントを投稿しよう!