想定外

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俺は彼女から持っていた箸を取り上げ、箸置きへと戻した。 力「…俺、自分で食えるからさ…」 そういって彼女を俺の方へ引き寄せると彼女を一気に抱き上げた。 愛「…えっ…えっ…ちょっ……」 暴れる水月をしっかりと抱き寄せ、俺は奥の部屋へと突き進む。 九割程度閉めてあった襖の間に足を引っ掛け蹴ると、そのまま部屋に入り、彼女をその布団の上に下ろした。 …トサッ…… そして俺は彼女に覆いかぶさる。 愛「…ちょ…力…こんなところで…ダメだって…」 水月は必死に抵抗する。 力「…学校の先生公認だぞ?構わねーよっ」 愛「…せ…先生たち…酔っ払ってたし……」 力「知るかっ。どーせアイツらもそーいう店に行ってんだろ?」 愛「えっ……そういう店って?」 (……忘れていた。コイツはこういうことに疎いヤツだったな…まぁ、いいや…) 力「…知らなくていいよ。つか、アイツら当分、帰ってこねーんだしさぁ…」 そう言って俺は彼女に迫った。 愛「…だ…だめーっ!!」 力「なんでだよっ?」 愛「…だ…だって…」 (だってもへったくれもあるかっ!こんな状況下で我慢しろっつーのがムリだっつーのっ!) 力「…おまえ、俺にお祝いしてくれねーのかよ?」 愛「え?お祝い?」 力「ノーヒットノーラン…おまえに見せたくて頑張ったんだぜ?」 俺は今日のあの瞬間を水月に見せたかった。 だからしっかり調整してこの日を迎えた。 そして結果を出したわけだし彼氏としてその権利は充分あるはず。 愛「…それはっ……で…でもね、私どうしても気になることがあるのっ。どうしてピッチャーに転向したこと、前もって私に言ってくれなかったの?」
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