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長いキスが終わると彼女はチカラが抜けきって抵抗できなくなっていた。
力「今日は俺がおまえを攻めてやるからな…」
愛「…ぇ……」
力「この前、よくも俺をからかってくれたよなぁ?」
愛「…えっ……」
力「今度はおまえの番だから…」
この前の電話で、俺は散々、水月に嫌がらせをされた。
(…俺が…水月に対して一番苦手としていることをさせるとは…)
愛「だ…だって…名前で呼んで欲しかったんだもんっ。ダメなの?力……私のこと、あまり名前で呼んでくれないし…どうして?」
力「どうしてって…」
(…そ…そんなの恥ずかしいからに決まってんじゃねぇかっ…)
愛「私の名前…嫌い…とか?」
力「…いや…そういうワケじゃ…」
愛「だったら呼んで欲しいよ。私だって『力』って呼んでるのに…」
力「…い…いいだろっ…水月は『水月』でさっ」
愛「だって…みんな私の名前、ちゃんと呼んでくれるよ?」
力「いいじゃん。『水月』は俺が独占!」
愛「…でも…やっぱり…力に呼んで欲しい…」
そう言って彼女は寂しそうな顔で俺を見つめる。
(あぁ……俺はやっぱりこういう顔に弱い…)
力「あー…もうっ…分かったよ。呼べばいーんだろっ!?」
俺は恥ずかしさを隠すようにして彼女を抱きしめて言った。
力「…愛梨……」
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