戸惑い

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――――――――――――― ――――――――― ―――――― 沙「いいんですか?」 愛「相手してたら日が暮れちゃうから…」 私は着替えてきた沙希ちゃんと一緒に外周へ出かけた。 沙「水月先輩、土曜日って藤沢先輩の試合行ってたんですよね?」 先輩から聞いたのだろうか。 何故か沙希ちゃんは私が休んだ理由を知っていた。 愛「うん。あ…ごめんね。急だったから…」 沙「いえ…。あ、藤沢先輩…相変わらず凄いですね。」 どうやら沙希ちゃんも週末の力の活躍を既に知っていたみたいだ。 愛「そうだね……っていうか、私、力がピッチャーに転向したの知らなくってね…」 沙「えっ?」 愛「なんかね…観戦しながらちょっと淋しかったんだ…」 沙「先輩…」 ピッチャーへの転向を知らされていなかったこと。 そして彼の過去をあまりにも知らなさすぎることが発覚して私は彼女としての自信をちょと無くしていた。 (驚かせたかったって言っていたけど、でもやっぱりもう少し早く知っておきたかったなぁ…) そんな私を沙希ちゃんは心配そうに見つめていた。 愛「あ…でもね、いいこともあったから…っ…」 私はあの日、また力に抱かれた。 (…力……あのトキ………段々と激しくなってる気がする…) まだあの行為は慣れないけど、でも力に抱かれてると凄く幸せだし、安心して身を委ねられる。 (…力……次はいつ会えるのかなぁ…) 彼との情事を思い出していた私。 いつの間にか頬に火照りが感じられる。 沙「…先輩達って……もしかして……もうそういう…?」 愛「…あ……う…うん…一応…」 恥ずかしいけれど流れで私は答えてしまっていた。 沙「そう…なんですね。」
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