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翔「最強だなっ、おまえのその方向音痴は……ハハハッ…」
(うぅぅ……)
そんな私と先輩のやりとりを見ていたシーナ達もクスクス笑っている。
椎「ホント。一年の時も教室に戻って来られなくて行方不明だったこともあったしねぇ」
それが翔先輩との出逢いの日――
あれは入学してまもない頃。
私は学校内にある、森のようなところに迷い込んだ。
そしてそこで眠ってしまい……
気づいたときには寝ぼけて、自ら翔先輩にキスをしていた。
翔「まぁ、この天然なところがガキっぽくておもしれーんだけどなっ…ハハッ…」
そういうと私の頭をグシャグシャっと撫で回す。
愛「ちょ…髪ぐちゃぐちゃにしないでくださいっ!てか、もうっ!皆してそうやって…」
翔「まぁまぁ、そう怒るなって。…で、おまえ…何組なんだよ?」
愛「…あ…9組……だったかなぁ…」
同じクラスになったシーナも頷いている。
翔「…えっ?俺も9組だわ。…っつーことは体育祭とかチーム同じになりそうだなっ」
この学校のイベントは大体組対抗みたいなところがある。
だから違う学年でも組が同じだとチームなどが同じになる確率が高い。
愛「あ…そっか…」
翔「…あれ?ん……待てよ?…おまえ、9組っつーたら確か…」
先輩は来た道を少し戻って、クラス替えの表を見たと思ったら私達のところへ戻ってきてニヤッと笑った。
翔「…へぇ……悪運…強いっつーか……ククッ…」
祐と一緒のクラスだということを確認したとしか思えない。
愛「あはは……」
もう笑うしかない…。
翔「…じゃぁ、また部活でな?っと…そうそう!坂田にさっき会ったんだけどさ、新入部員……跳躍もいるみたいだぞ?橘南中出身って言ってたっけな。おまえ、もしかして知り合いじゃねぇ?」
(…え?それって……もしかして…!?)
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