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祐「はい。落ちたよ?」
祐はニコッと笑いながら私にそのバインダーを渡してくれた。
愛「あ…ありがとう。」
祐「どうした?こんなところに来て?」
愛「えっと…今日から400することになって…」
祐「そうなんだ…」
愛「坂田先生に言われてきたんだけど…えっと400の人って他に誰がいるの?」
そういうと祐はその切れ長の目を少し細めて笑った。
祐「……俺……だけど……?」
愛「え?」
私は驚き呆然とした。
(…ゆ…祐が……400?)
何かの間違いだと思った。
愛「祐は…800じゃなかったの?」
祐「まぁ、800もしてるけどね。他に3000とかもやってるけど…あれ?愛梨…知らなかった?」
愛「うん…」
いつもトラックで流してたのは知ってたけど、何をやってるとか全く知らなかった。
祐「俺もさ、実は今日から400なんだ。あ……そのバインダー見せてくんない?」
(えっ?!祐も今日から400?どういうこと?)
祐は私の持ってたバインダーを取るとそれを開けて指をさしてふんふんと頷いている。
祐「…なるほどね…。ん…分かった。俺が教えるよ。」
愛「えっ…いいよ。」
祐「そういうワケにはいかないだろ?愛梨は走るの初めてなんだからさ…」
愛「でも…」
祐「決めたんだろ?やるって…」
愛「う…ん……」
祐「じゃぁ、こっちおいで。」
そういうと祐は私の手を引きトラックの中へと連れていくのだった。
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