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力が帰ってくる……
それを思うと私は嬉しくて仕方なくて、さっきまで眠かったのが嘘みたいにパッチリと目が覚めた。
力「…あ…けど、おまえ、休みの部活ってどうなってんだ?」
(…あ…そういえば……GWも部活あったような……けどっ!)
愛「…知らない…でも、休むっ」
力「…おい、大丈夫か?おまえ。あの河合ってヤツにまた止められんじゃねーの?面倒くさいことにならないか?」
力は相変わらず翔先輩のことを心配しているようだった。
愛「大丈夫だと思うよ?だって、最近、先輩優しいもんっ」
力「優しい?」
愛「うんっ」
昨年のGWは翔先輩に散々、休みの部活についていろいろ言われて休めないかと思っていたけど、今の先輩の様子だとなんとなく大丈夫な気がしていた。
それに力が400を教えてくれるって言うんだったら坂田先生にも事前に言っておいて、力もトレーニングできるようにとかお願いしてたらきっと大丈夫。
力「なんか…さ、おまえのそんな嬉しそうな声聞いてたら…俺、アイツに嫉妬しそー…」
愛「えっ!?」
浮かれ気味の私とは反対に、力のテンションが下がったような声が聞こえてきた。
力「相変わらずアイツもいるんだよな……おまえの傍に……」
愛「あ…でも、今は沙希ちゃんもいるし、二人ってことはあまりないし…」
沙希ちゃんが入部してきて、以前のように私と先輩が二人っきりになることはだいぶ減ってきている。
最近はどちらかといえば沙希ちゃんと先輩が一緒にいることが多いと私は思っていた。
愛「先輩にはね、何度となく『力じゃないとダメ』って言ってるし、先輩も最近は力とのコト…応援してくれてるんだよ?」
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