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待合わせの名古屋駅に到着すると、ハロウィンとクリスマスが同時にやって来たかのように、ほとんどの店のショーウィンドーはハロウィンをモチーフにしたものが多かったが、気の早い店ではもうクリスマスを匂わせるディスプレイに変わっていた。
そんな不思議な光景を横目に見ながら金時計の周りをうろうろしていると、「よお」と、声を掛けられた。
大学時代からの飲み仲間の小山だ。
「昼間からの誘いなんて珍しいな」
俺が尋ねると、小山は事情を説明した。
どうやら俺は、小山の彼女のクリスマスプレゼントを選ぶのに付き合わされるらしい。
随分と早い準備だが、小山によると、この時期、クリスマスに向けての新商品の入荷の前に、在庫品が通常よりも安く手に入るらしい。
「ちゃっかりしてるな」
「計画性があるって言えよ。考えてるの、しっかり」
小山は自分の頭を人差し指で指した。
やれやれ、と肩を落としたが暇つぶしにはなるだろうと、小山に付き合うことにした。
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