番外編【新人デザイナーの憂鬱】-3 勘違い-2

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この日は金曜日。 夕べ早めに帰宅したことも影響したのか、もしくはそれがなくても眞辺さんと杉浦さんの明日の休日出勤は決定的だった。 俺も気持ちを乱しながらも小森に尻を叩かれ、自分の案件に集中しようと努力した。 眞辺さんへの感情も相まって、クライアントやここのみんなに自分のデザインを認めさせてやるって、妙な熱も湧いてきた。 「気合入ってんな。そんなんじゃ肩凝るぞ」 眞辺さんの大きな手で肩を鷲掴みされると首の付け根の奥に鈍い痛みが走った。 首を回しながら時計を見ると、もう19時半で、窓のブラインドもいつ誰が下したのか、もう外は真っ暗だった。 「眞辺さん……今日は、泊りですか?」
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