番外編【新人デザイナーの憂鬱】-3 勘違い-2

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その後小山は俺のアドバイスなどないも同然に、早々と一人でプレゼントを選んだ。 「小山、お前これ持って『飲み会』行くわけ?」 ラッピングされたプレゼントを見て俺が言うと、呆れたように小山は笑った。 「まさか。行けるかよ。一回帰って出直すんだよ」 小山はニヤリと笑い、そうする理由についてもう一つを明かした。 「んじゃ、下行くか」 小山は今日の飲み会に着ていくニットを買いに行くと言って、メンズ服売り場へ足をのばしたのだ。 どんな気合の入れようだよ。 と、心の中でぼやきながら口にはしなかった。 何を言っても無駄な気がしたからだ。 俺もメンズ服売り場なら持て余すこともないだろうと思い、素直に付き合うことにして一緒にエスカレーターを降りた。
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