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「ここの鶏塩、杉浦も好きなんだよな」
カウンター席で鶏塩ラーメンを二人分頼み、おしぼりで手を拭きながら眞辺さんが言った。
「……杉浦さんは直帰ですか？」
「こんな時間に名古屋駅で打合せなんだとよ」
「相手……男ですか？」
「さあな」
眞辺さんは首を傾げながら返事をした。
「心配じゃないんですか？ こんな時間に……」
「別に。『仕事』だからな」
「でも、『四葉のイケメン』も『仕事』の中の人ですよ？」
俺が言うと、眞辺さんは腕組みしたままカウンターに肘をつき、俺を睨んだ。
「お前、何が言いたくて俺を誘ったわけ？」
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