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カウンターの向こうでは店員が機敏な動きでラーメンを作っている。
こんな時間にも関わらず、店内の客足はまだ途切れず、新たに入って来た客に店員の大きな掛け声が飛び交っていた。
「夕べ……杉浦さんのとこ、泊ったんですか?」
俺が聞くと、眞辺さんは鼻で笑った。
「なんだ、事情聴取かよ」
そして、喉が渇いたのかお冷を一口口に運んだ。
「ま、否定はしねえ」
「二人はその……付き合ってるんですか?」
「いや」
「じゃあ、付き合うことになったんですか?」
「いや」
「付き合ってもないのに、二人はそういう……」
しつこいまでの俺の問いかけに、眞辺さんは何も言わずに返答してくれていたものの、ここで初めてため息をついた。
「お前に俺のプライベートを話す義理もないと思うけど」と、前置きしておきながら眞辺さんは続けた。
「俺たちは繋がってねえよ」
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