番外編【新人デザイナーの憂鬱】-3 勘違い-2

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カウンターの向こうでは店員が機敏な動きでラーメンを作っている。 こんな時間にも関わらず、店内の客足はまだ途切れず、新たに入って来た客に店員の大きな掛け声が飛び交っていた。 「夕べ……杉浦さんのとこ、泊ったんですか?」 俺が聞くと、眞辺さんは鼻で笑った。 「なんだ、事情聴取かよ」 そして、喉が渇いたのかお冷を一口口に運んだ。 「ま、否定はしねえ」 「二人はその……付き合ってるんですか?」 「いや」 「じゃあ、付き合うことになったんですか?」 「いや」 「付き合ってもないのに、二人はそういう……」 しつこいまでの俺の問いかけに、眞辺さんは何も言わずに返答してくれていたものの、ここで初めてため息をついた。 「お前に俺のプライベートを話す義理もないと思うけど」と、前置きしておきながら眞辺さんは続けた。 「俺たちは繋がってねえよ」
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