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「え!?」
俺の反応に眞辺さんは流し目で俺を見た後、
「そこが一番知りたかったんだろ?」
と、言いながらちょうど出来上がったラーメンをカウンター越しに受け取った。
「別に俺は……」
俺の言葉を隠してしまうかのように、二人の前で食欲をそそるスープのいい匂いが広がる。
「一晩一緒にいてどうして……」
「怖いんだよ」
自分の耳を疑った。
しかし、眞辺さんは気にすることもなく「早く食えよ、伸びるぞ」と、麺を豪快にすすり出した。
「怖いって……」
自分でも箸で麺をすくいながら聞き返した。
「んー、何て言うかなあ。手に入れたいけど、もっと強く思うのは……『失いたくもない』ってとこかな。紙一重なんだよ、俺らみたいな関係だと」
「って、こんなことお前に言ってもなあ」と、眞辺さんは笑って茶化し、ラーメンを勢いよく食べ進めた。
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