日常

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ここはとある関西と東海の間にある中途半端な小さな町 水田玲奈はその町の小さな生地を作る会社に勤める28歳 彼女の1日の始まりは実に平凡だ。 朝8時半に出社し給湯室でポットに水を入れ戸棚からインスタントコーヒーのパックをだしポットのお湯を家から持ってきたマグカップに注ぐ。それから自分の席に行きマグカップにいれたコーヒーがこぼれないようにこれまた家から持ってきたコースターの上に置く。 彼女はこの目覚めのコーヒーがないと仕事に集中できない。 しばらくすると後輩の谷田由理が出社してくる。 会社の社風が自由なので、制服もなく髪型も自由なためみんな普通の会社員よりは派手な格好をしているが谷田由里は一味違う。 いわゆるロリータで、毎日コスプレかと見間違えるほどの派手さ 「おはよう由里ちゃん。今日も凄いね。」 今日は紺色のコートに水色のジャンパースカートもちろんあのスカートの下に履いてるとおもわれるふわふわもついていて、靴もばっちり厚底 「水田先輩つっこみいれてくれるんでありがたいです。私のチームなんて見て見ぬふりですから。」由里ちゃんは笑いながら自分の席のほうへいく。 怜南も正直見て見ぬふりの中の一員なのだが朝、来る時間が近いため声をかけるのが恒例になっている。谷口由里が来て5分後くらいに怜南と仲のいい同期の白城真理がくる。 真理は、いつも九時始業時間のぎりぎりにくるので、基本挨拶はしない。 真理が走って席についたと同時にチャイムがなり始業時間になった。 怜南の仕事はアパレル会社から注文のくる生地を会社のカタログから探してアパレル会社に送る担当だ。会社自体はアパレル会社だけでなく制服を作る会社カーテンを作る会社ぬいぐるみを扱うおもちゃ会社など様々な会社と取引きがある。 怜南にとってこの仕事はすごく好きな仕事で怜南が送った生地で完成した服を初めて見たときなんかは涙がでた。 まぁそれも1年目までの話で5年目になるとその服が雑誌にのっていても、ふーんと流すくらいになった。 仕事への熱も冷める今日この頃、由里ちゃんに誘われた異業種交流会と言う名の合コンが楽しみやなーっとぼーっと考えながら仕事をしていたところでお昼のチャイムがなった。
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