2人が本棚に入れています
本棚に追加
会社から徒歩二分にある『海屋』という定食屋さんまで怜南と真理は来た。住宅街にある会社なので、定食屋さんもこじんまりした一戸建ての家風の建物の前に木製の立て看板が冬の風にまけそうになりながら立っていた。
真理が「ぼろいね。。。。」とつぶやいたので
怜南は「時間ないし入ろう」とうながした。
鉄性のアーチ型の取っ手を開くと中はなかなかこじゃれた感じになっていた。
丸いテーブル席が六席右側がカウンターになっている。
お昼時なので、テーブル席はうまってるみたいだ。
するとカウンターの奥から男の人の声がし
「二名様ですか?」と30代前半とおぼしき短髪のイケメンが顔をだした。
2人はぼろいと思われた店に入るとなかなか内装がイケてたことと店主がイケメンだったことに情報処理がおいついていなかったが怜南がかすれた声で「はい」と声を絞り出し、
「カウンターどうぞ」と店主のまん前の席に案内された。
席につくと店主が水をだしてくれた。
「メニューは壁メニューなので、後ろにかいてます。
ごゆっくりどうぞ。」と店主が笑う。
そこでやっと怜南と真理が小さい声で店主に聞こえないように話しはじめた。
「え?あの店主、すごいイケメンじゃない?」と真理
「ですよね。ですよね。会社のこんな近くに一見ボロイのに内装きれいでイケメンの定食屋があるとか穴場ですな」と怜南。
2人は落ち着くために水をのむ。
「まぁ壁メニューなのが残念やけどねー」
「とりあえず見よう。」
長椅子型の席なので、二人は向きを変えあらためて、足を降ろした。
改めて壁を見ると紙にさまざまな定食名が書かれていた。
ぱっと見だけでも100種類ぐらいある。
2人は時間もないので迷っている暇もなく、
2人ともさば味噌定食にした。
「今度会社おわったらこよう。おつまみ系も多いし、今週の金曜日にでも」
さばを手早くほぐしたべながら怜南がそういうと、
さばをあわてすぎて、ほぐせていない真理がほぐすのをあきらめてそのまま口に運びながら
「うん」と短く返事した。
そうこうするうちにあっという間に時間は過ぎ、二人は食後のお茶もそこそこに
店主に「ごちそうさまです」とぺこりと頭をさげ
店をでた。
最初のコメントを投稿しよう!