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「わかった。でも…姉さんの事は?…。」
『大丈夫。直ぐにわかるよ…。』
真人の前にドアサイズの空間が現れた。
踏み出す前にもう一度使い慣れた部屋を見回す。
軽く頷いておいて、ドアを真っ直ぐ見つめると、その先に向かって踏み出して行った。
真人は、トンネルの様な道を進んで行く。
前方から何かがやって来るのが見える。
人の形のようだ。一メートル位に迫って正体が判った。
「俺?」
もう一人の真人は、何も無かった如く真人をすり抜け進んで行く。
「なんだ?今の…。」
『君の完全コピーだよ。但し、力もエネルギー体も持たない…ね。』
「そういう事ですか…姉さんを宜しくな。」
去って行く後ろ姿に小さく声を掛けておいて、真人はまた進んで行った。
その顔には既に憂いは無かった。
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