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女子高生、異世界へ
女子高生のリサは、いつも通り校内のテラスに向かっていた。ちょっとお洒落なカフェのような空間のテラスは生徒から熱い人気を誇っているのだ。
「もー本当最悪、あの眼鏡マジ絶許なんですけど!」
リサは地を踏みつけながら早足で歩いていく。教師の呼び出しを食らい昼休みに乗り遅れたことに怒っているのである。
そして、テラスまで後もう少し。最後の角を曲がった時であった。
「え、ちょ、なにこれ?!」
リサの足元が光りだした。リサを中心に円形の光が描かれていく。六芒星や見たこともない文字が浮かび上がり、円いっぱいにまで文字が浮かんだと同時に、強く光りだした。
リサは思わず目を腕で覆う。しばらくして、光が収まると、リサはゆっくりと目を開けた。
「え、ここどこ?」
リサの目の前では、人が大勢、大理石の床に跪いていた。
「おぉ、勇者様! 勇者様じゃ!」
リサは突然のことに目を丸くし、絶句している。先頭にいる真っ白な長い髭を伸ばした男性は、両手を挙げ涙を浮かべていた。
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