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「電気? あるぞ。どれくらいいるんじゃ?」
「え! マジ? どれくらいだったっけな? いい感じによろしく!」
「ふむ、まぁやってみるかの」
こうして、リサは魔導師特製の電気を借りて、髪を乾かし始めた。
「こうやって髪をかきあげながら、根元を乾かすとボリュームが出るんだよ~」
「ボリュームか。大きく見えれば強く見えてしまう、あの現象か」
「よく分かんないけど、そんな感じ~。よし、これでおけまる! 次はワックスだね!」
リサがワックスを手に持つと、魔導師はまたも不思議そうに見つめる。
「粘性がすごそうじゃ。なんかの薬か?」
「違うよ。見ててね~。魔導師さん、丸顔美人だから、ふんわり系にしよっかな!」
「ふむ、よく分からんが頼む」
魔導師は椅子に座ったまま、リサに背中を預けた。そして、リサによるヘアメイクが始まった。
「こうやって、内側から揉み込むのがコツだよ~」
「ふーむ、しかし、すごくいい匂いじゃ。ずっとスンスンしていたいくらいじゃ」
「でしょ~? このシャンプー本当よき! よし! 完成! 魔導師さん、鏡とかってある?」
「鏡? あるぞ。では、おぬしの力作、拝見させてもらおうかの」
魔導師が魔法を詠唱すると、目の前に鏡が生成された。宙に浮く鏡を見て魔導師は言葉を失う。
「こ、これが私なのか。ふーむ髪型一つで印象というのもは、こんなに変わるのか! 興味深いぞ」
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