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「そ、そうなのか。よ、よし分かった! いっぱい複製しよう。ただ、もう一つお願いがある。私にも分けてくれないか?」
「もちろん! 使い方も教えてあげるね!」
「おお! ありがとう。では、再び待たれよ。すぐ戻る」
こうして、再び奥に消えた魔導師はキューティクルオイルを複製して、戻ってきた。
「これで取引完了じゃ。久々に心が高ぶったわい。楽しかった。しかし人間よ、我々が憎くないのか? 我々、魔王軍と人間は今、命を奪い合っておる。本来であれば、こうしてお喋りをしていることすらご法度もんじゃ」
「そうだったね……。私、魔王やその幹部を倒せって言われてるの……。でもね、私思ったの! ドレちゃんや魔導師さん、面白いのになんで倒さなくちゃいけないんだろうって。きっと仲良くできると思うんだけどな」
「ふむ、そうじゃの。私も争いは反対じゃ。魔王様は人間から命、土地、技術全てを奪えと仰っている。しかし、奪うことで得られるものなんて大したことない。私はそう思っている。魔物にも優れた者がいると同様に人間側にも優れた者がいる。それぞれが違った知識、ものの見方を有しておる。私は、それを奪い合うのではなく共有していくべきであると考える」
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